こんにちは!はぴこ(@HappyTravelerwK)です。
先日、α7RⅢのAPS-Cモードとα6300の望遠域での画質比較を行ったところ、思いがけずたくさんの方に読んでいただく結果となりました。
正直、昼間の屋外での比較だとそれほど差はないだろうと思っていましたし、結構マニアックな比較なので、ここまで読んでいただけたことにはびっくりしました。
その記事のまとめの中で、「暗い室内などの高感度耐性が必要な場合はやはりフルサイズ」という風に結論付けていたのですが、はたしてどれくらい差があるのか?とふと気になってきました。
感覚的にはフルサイズの方がよさそうだなと思っていましたが、実際に厳密に比較したことはなかったので、今回ちょっとしっかりと画像比較を行ってみることにしました。
再びマニアックな内容になってしまいますし、結論がちょっとわかりにくいんですが、フルサイズ高画素機とAPS-C機の違いとして見ていただけると嬉しいです。
α7RM3とα6300でフルサイズとAPS-Cの高感度耐性を比較!!
カメラはα7RM3とα6300。レンズはタムロン28-75mm/F2.8を使用
今回の比較に使ったカメラはもちろん、α7RⅢとα6300の2機種です。
α7RⅢは、Super35mm(フルサイズ)とAPS-Cモードの2種モードで撮影しています。
レンズの違いによる影響をなくすために、どちらのカメラでも使用したのはタムロンの大三元ズームレンズ。開放から望遠まで、F2.8通しとF値の変化がないので、画角を調整しても使いやすいため採用しました。
画角は35mm換算で50mmになるように設定。(APS-Cのときは約33㎜)
撮影条件は、いずれもシャッタースピードは1/200に固定し、ISOはオートで設定。
F値は開放F2.8と数段絞ったF8でそれぞれのノイズの出方を比較してみました。
例のごとく、画像を拡大したい場合を想定してFlickrに元データを載せています。
撮影被写体は、我が家ではおなじみのバズ・ライトイヤーさん。ありがたいことに顔認証してくれるので、顔認証させて撮影しています。
※瞳AFは試していません。
F2.8で比較
それではまず、開放F2.8での比較を行います。
室内でもF2.8であれば1/200のシャッタースピードでも、ISOもそれほど上がらず撮影出来ます。
α7RⅢ(フルサイズ)
α7RⅢ(APS-C)
F2.8 1/200 ISO1000
α6300
F2.8 1/200 ISO1000
F2.8ですので、どの写真も綺麗に撮影出来ています。
でも、やはりα7RⅢ(フルサイズ)の圧倒的な立体感はさすがですね。
背景のボケ感も綺麗だし、同じISO感度でも圧倒的な違いを感じます。
でもAPS-CでもF2.8の明るさなので、背景も綺麗にボケてノイズも少なく非常に綺麗に撮影出来ていますね。ぱっと見での違いはなさそうな気がします。
もう少し詳細にみるために、拡大して比較してみました。
F2.8拡大比較
ちょうどピントの来ているバズの顔部分を拡大して比較しています。
F2.8でISO800なら、この大きさに拡大しても特に大きな差も無く、綺麗に撮影出来ています。バズの顔の横の部分のボケの感じもそれぞれ綺麗です。
今回jpegで撮ってだしなのですが、α7RⅢとα6300で色の乗り方が違いますね。
全体的にα7RⅢの方が濃いめの色合いで、α6300の方がすっきりした色になっています。
F8で比較
続いて、F値を絞って撮影してみました。
今回、α6300のISOオートの上限を6400にしていたため、F8が露出アンダーにならない限界の値だっため、ちょっと中途半端ですがF8で比較しています。
α7RⅢ(フルサイズ)
F8 1/200 ISO8000
α7RⅢ(APS-C)
F8 1/200 ISO8000
α6300
F8 1/200 ISO6400
やはりF8まで絞ると一気にノイズ感が増えてきました。
今回感じたのは、α7RⅢの方が結構すぐにISOが上がりやすいな~ということ。
α6300がISO6400で撮影出来ていることに対し、α7RⅢはISO8000と一段高くなっています。
もちろんこれはα6300のISOオートの上限を6400に設定しているからというわけではなく
同様にシャッタースピードを1/100で比較してみた時も、α6300がISO1600に対し、α7RⅢがISO2000とα7RⅢの方が上がりやすい傾向がありました。
これはα7RⅢが高画素なため、1画素における光の取り込み量が少し少なくなってしまうからなのでしょうか?
一般的に高画素になればなるほど、高感度には弱くなると言われていますし。もちろんα7RⅢのフルサイズモードとAPS-CモードではISOの上がり方は変わりませんでした。
拡大比較
とは言っても、多少ISOが高くなってしまっても、同じサイズで比較するとフルサイズモードの方が断然綺麗です。
しかしα7RⅢのAPS-CモードはISO8000なりにノイズが載っているようなので、フルサイズモードでもピクセル等倍すれば、同じくらいのノイズ感は発生しているのだろうなと思います。
画素数の多さによる精細感のおかげで、それほどノイズは気にならず綺麗に撮影出来ているんでしょうね。精細感のおかげで立体感もあるため、ノイズも感じず綺麗に撮影されているように感じられます。
APS-C間で比較するとα6300のほうが、さすがにISOが低いためα7RⅢのAPS-Cモードよりは綺麗に撮影出来ています。
同じISOで比較するとほぼ変わらないのでしょうが、同じ撮影条件として考える
α7RⅢ(フルサイズ)>α6300>α7RⅢ(APS-C)
という順番になるのかな、と感じました。
やはり高感度はフルサイズが強い?APS-Cもかなり健闘!
一般的に、高画素になればなるほど、高感度には弱くなると言われています。同じセンサーサイズでは、画素数が増えることで、1画素あたりの受光面積が減ってしまうからです。
しかし、私はこれまでα7RⅢを使っていて、高感度耐性弱いな、と感じることはあまりありませんでした。それはフルサイズセンサーによるセンサーサイズに大きさのおかげ?と思っていたのですが、それだけでは無いのだと今回わかりました。
もちろん、センサーサイズが大きいから高画素になっても1画素あたりのセンサーサイズの大きさもある程度確保出来ているのだと思いますが、それでも光を取り込む量は減っているのだと思います。
その結果ISOは上がりやすい傾向がありますが、その分画素ピッチの精細さによりカバーしていて、結果として、得られる写真はそれほどノイズを感じることなく使用できているのだと考えています。
そのため、APS-Cモードでは同じサイズで比較するとそれなりにノイズが載ってくるのだと思います。
そうはいっても、α7RⅢのAPS-Cモードは約1800万画素。
同じセンサーサイズを使用しているα6300は2420万画素なので、受光面積で考えると画素数の少ないα7RⅢの方が大きい計算になりますよね。
それなのに、α7RⅢの方がISOが上がりやすいのは気になるところではありますが・・・
α6300の方が、APS-C機としてうまくチューニングされているのかもしれませんね。
α7RⅢよりも画素数の少ないα7Ⅲやα7SⅡで高感度比較したらもっと顕著に違いが出るのかもしれません!
それぞれの画像処理アルゴリズムが違いそうなので、なんとも微妙な比較結果となってしまいましたが、撮影により得られる最終的な写真の綺麗さで考えると、やはりα7RⅢのフルサイズモードが一番きれいなので、私はこれからも、夜間や暗い場所での撮影はα7RⅢに頼り切って撮影したいと思います。
すみません、センササイズによるノイズ量を比較したいときは、「画角・シャッタースピード・ボケ量」を合わせるべき(フルサイズのF値をAPSCの1.5倍にして比較する必要がある)といけないと思います。
今の比較だと同じ写真撮る時にセンササイズによって高感度耐性に差があるか分からない(APSCでF値を2/3にしたら結局同じ写真になるんじゃない?そっちのが軽いし安いしセンササイズ大きいメリットって本当にあるの?)状態かと思いますので、再度検証していただけるとありがたいです。
>ykさま
ありがとうございます!
確かにSSやF値もそろえての方が良いのかもしれませんね・・・
とはいえ今手元にAPS-C機が無くて・・・すみません。